財務報告にかかる内部統制の評価及び監査に関する実施基準(6つの基本的要素―統制活動)

 統制活動とは,経営者の命令及び指示が適切に実行されているかを保護するために定める方針及び手続をいいます。
 統制活動には,権限及び職責の付与,職務の分掌等の広範な方針及び手続が含まれます。このような方針及び手続は業務のプロセスに組み込まれるべきものであり,組織内の全てのものにおいて遂行されることにより機能するものであるとされています。
 要は,どの職務をどの部署に担当させるかをあらかじめ明確に決めておき,その部署がいかなる権限を持つかも明確にしておくということです。
 たとえば,取引の承認,取引の記録,資産の管理に関する職責をそれぞれ別の者に担当させることにより,それぞれの担当者間で適切に相互けん制を働かせることが考えられます。
 リスクの評価と対応において,あるリスクにつき対応策を講じることが決定された場合,リスク,とりわけ業務プロセスのリスクに対応するのは,主として業務の中に組み込まれた統制活動です。この点で,リスクの評価・対応と統制活動は密接な関係にあります。
(出典:財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準ならびに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に係る実施基準の設定について(意見書))